AIの規制とルールの検討

AI規制

AI巡りデジタル相、リスクや活用議論

デジタル相は、注目が集まっている対話形式で自然に回答する

AIサービス「チャットGPT」に関して言及した。

「全くでたらめなもの(回答)が出てくるということもあるが、

それは人間がきちんと見ていれば、クリアできるものだろうと

思うので、少なくとも大量のデータを有効活用する、効率的に

使っていくという意味では役に立つ部分は多い」と有用性に

ついて指摘した上で、国家公務員制度担当の立場から、今後、

国会答弁の下書き作成など中央省庁職員の業務効率化などに

活用することを検討する考えを示した。

チャットGPT安全対策を公開

人工知能(AI)を使った自動応答ソフト「チャットGPT」の開発元である

アメリカ新興企業オープンAIは、個人情報の保護や児童の安全対策などの

取り組みを公開した。

利用が急拡大している自動応答ソフトに対しては危険性の指摘や、

プライバシーの侵害を問題視する声が出ており、対策を示して理解を

求める狙いがありそうだ。

オープンAIの公式ブログで公開した文面によると、児童の保護を最優先

課題の一つとし、AIツールの利用は、18歳以上または保護者の承認を

得た13歳以上に限定していると説明。

年齢を確認する認証の導入を検討していると明らかにした。

生成AI・第三者が認証

生成人工機能(AI)の利用に関するルール作りなどを議論する政府の

「AI戦略会議」は、会合で生成AIの開発者や提供者にルールの順守を

促すための措置を検討する方針を示した。

第三者による認証制度の創設や金融、エネルギーなど高リスク分野での

追加規制などを柱とする。

先進7カ国(G7)が安全な生成AIの実現へ向けた開発者向けの行動規範を

まとめたことに伴うもので、第三者による認証のほか外部監査の枠組み、

政府との情報交換の場を創設することなどを検討する。

また、生成AIを活用する上で、特にリスクの高い分野として政府部門、

金融、エネルギーなど8分野を例示。

これらの分野に生成AIサービスを提供する場合は、追加ルールを策定

するなどし、規制を強める。

生成AIの学習を促進するため、政府保有のデータを開発者へ提供する

方針も決めた。

AI安全サミット

英国の主催によりロンドン近郊で開催された「人工知能(AI)安全

サミット」が閉幕した。

人間との自然な対話で知的処理をこなすチャットGPTを始め、驚異的な

発達を見せる生成AIのリスク管理などに焦点を当てた世界初の多国間

での取り組みだ。

日英米など28カ国と欧州連合(EU)の政府高官やAI企業の代表らの討議で、

会場の名を冠した「ブレッチリー宣言」がまとまった。

「AIのリスクと可能性に関する国際的な理解を共有する。」ことを基調

とする内容で、開発企業が次世代AIモデルの公開に先立ち、国家主導の

検証・評価を受けることなどを含んでいる。

透明性を欠く開発では、生物化学兵器やサイバーテロ、偽情報による

壊滅的な被害の発生が危惧されていただけに、前向きの成果として

受け止めたい。

しかし、課題も多い。

生成AIに対する各国の姿勢の相違である。

とりわけ「規制」に関して差が大きい。

EUは巨額の制裁金を含む厳しい法律でAI乱用の防止を目指すのに対し、

英国は経済成長へのAI活用を重視しており、強制力のある規制には

消極的だ。

日本もイノベーションを妨げる可能性のある法規制ではなく、

ガイドラインによる緩やかな対応を志向している。

米国はAI安全サミット開催直前の10月30日に、バイデン大統領が

AI規制に関する大統領令に署名した。

AI開発企業の自主規制を尊重する部分が大きく、開発促進の方向だ。

中国も参加したが、国民支配の恣意的な統制を強化しており民主主義の

国々との足並みがそろうことは期待しにくい。

初の多国間の討議で国際連携が謳われたものの、同床異夢の状態だ。

本音は自国のAI開発に有利なルール作りへの主導権の獲得にある。

日本は先進7カ国(G7)首脳会議以降、議長国としてAIの活用に関する

国際ルール構築の枠組み「広島AIプロセス」を主導してきたが、

技術開発では後発だ。

官民の力の集中が急がれる。

人類の知能を凌駕しかねないAIは、先端テクノロジーが生んだ

空前絶後の発明だ。

覇権獲得の手段に用いれば、一気にリスクがメリットが上回る。

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